エクソソーム新型コロナ

エクソソーム治療とは

エクソソーム治療とは

ソラリアクリニックグループ特別顧問の古賀祥嗣です。

幹細胞治療という治療が10年前からセレブの間では行われていましたが、幹細胞治療においての主役は実は細胞でなくエクソソームだという事がこの10年の間で分かってきました。
幹細胞治療の主役が「細胞以外の何か」というのは当初から分かっていました。しかしそれがエクソソームかどうかが分かっていませんでしたので、エクソソームというものがあまり研究されておらずその細胞以外の効果に対して「パラクライン効果」という言葉を使っていました。

2015年頃からパラクライン効果の主役こそがエクソソームだということが分かってきて、エクソソームの論文が飛躍的に多くなっています。
実はエクソソームというものがあるということもある程度前から分かっていました。ところがエクソソームが非常に重要だとわかってきたのはこの5年間なのです。

そもそもエクソソームとは、とても小さな膜に包まれた胞体のことを指します。40~100ナノメーターの小さな胞体の中にマイクロRNA、DNA、タンパク等が入っています。
主にマイクロRNAがエクソソームに入ってることを発見したのがスウェーデンの科学者、ヤン・ロトバル先生です。この方が約11年前に発見して、エクソソームの存在が一気に表舞台に出てきました。
マイクロRNAとは、20~25塩基の非常に短いRNAです。実はこれは皆さんご存知のメッセンジャーRNAとは違うのです。メッセンジャーRNAはタンパクを作るために必要なものですが、マイクロRNAはタンパクを作らないのです。
そもそもが1993年に発見されたのですが、この20年間ぐらいは「これはただのゴミだ」という風にほとんどの研究者は考えていました。
しかしこのマイクロRNA等を含んだエクソソームが、細胞同士が連絡しあい、情報を受け渡す細胞間のコミュニケーションツールだということが分かってきたのです。

エクソソームはおそらく医療において今世紀最大の発明であり、いろんな分野での医療を変えていくと思います。
エクソソームで診断、治療ができるようになる。その中の一つが、今私がやってる幹細胞が出すエクソソーム治療です。
今までの低分子化合物の治療からエクソソームの治療に変わってきます。低分子化合物とは薬のことです。今皆さんが飲んでいる薬というのは低分子化合物なんです。
薬の概念が変わります。私がやっていることは本当に最先端である思っています。
幹細胞が出したエクソソームを使った治療なので、どういったことに効くかはこれから試していかねばならないでしょう。
私たちはまず皮膚であったり頭皮、いわゆる育毛といった非常に身近なところからエクソソームを使ったアンチエイジング治療を始めています。

エクソソームに関してお話ししましたが、それに関してもう少し付け加えたいと思います。

エクソソームは小胞体であり、ナノメーターという非常に小さい電子顕微鏡でしか見えない物質の中にたくさん入っています。それが分かったのが最近なのですが、実際にこの50~100のナノメーターの中に入っているのはマイクロRNAです。
皆さんはマイクロRNAを遺伝物質のように考えると思うのですが、RNAというのはもともと二つのタイプがあります。
一つはコーディングがあるメッセンジャーRNA。遺伝子情報をいろんな形で忠実に再現し、たんぱく等といった体の中に必要なものを作ります。
もう一つはノンコーディングRNA。RNAの中で98%を占めています。
たった2%のメッセンジャーRNAに対して、98%のノンコーディングRNAは何をしてるのかが今まであまり分かっていませんでした。そのノンコーディングRNAの中にマイクロRNAがあるわけです。だからマイクロRNAはよく分からない物質でした。ところがマイクロRNAはエクソソームの中に入っており、それがいろんな細胞の情報伝達をすると最近分かってきました。

エクソソームは血液、尿、羊水、腹水というものにたくさん入っており、当然マイクロRNAはいろんな作用をしています。幹細胞の培養醸成の中にも幹細胞が出すエクソソームというものがたくさんあります。
エクソソームというのはいわゆる細胞伝達のカーゴで、積荷がマイクロRNAなのです。
つまりエクソソームは、積荷が重要ということになります。正常の細胞、体細胞、幹細胞、がん細胞といった色んな細胞からエクソソームが出されるわけですが、その中でもがん細胞が出すエクソソームが非常に厄介なのです。がん細胞が出すわけですから当然、体にとって悪いことばかりです。
がん細胞が出すエクソソームを研究をして、例えば膵臓がんだったら膵臓がんのマイクロRNAが見つけることで、今までの腫瘍マーカーよりもはるかに精度が高いがんの診断ができるようになります。今まで膵臓がんになると末期でしか発見されなかったのですが、早期で発見する時代が来ます。東京医科大学の落合教授達は、東レや東芝さんと組んで99%の確率でがんを同定できるというとこまで発見されてます。
マイクロRNAを使ったエクソソームの診断というのはいろいろな分野に進みますから、がんだけではなく老化に関しても進みます。
そういったことでマイクロRNA、いわゆるエクソソームは今後医療の主役になります。

テロメアについての話をしたいと思います。

テロメアという物質は染色体の一番端にあるのですが、いわゆる靴紐の先のようなものに例えられます。
靴紐の先は固くなっていて、もしほどけてしまうと紐自体がどんどんほどけていってしまいますよね。それと同じように、テロメアがどんどん短くなるというのは、いわゆる染色体を守っている端の固い部分がどんどん短くなるということなのです。
テロメアが短くなると、本体の染色体自身が影響を受けて来てしまうのです。そうなると染色体が遺伝子異常を起こし、がん化や動脈硬化を起こしいろんな疾患に繋がってしまいます。
年を取ってくるといろんな病気が起こるのも、年を取るごとにテロメアが短くなることが原因の一つです。テロメアは極めて重要な一つのファクターなのです。
テロメアは年を取るほどどんどん短くなるのですが、加速度的に短くなってくるのは避けないといけません。
タバコを吸わないなどといった対策もありますが、実はエクソソーを使うことでも長くことが出来るのです。
いいエクソソームと悪いエクソソームがあるのですが、いいエクソソームを使います。いいエクソソームはどこから出てるかというと、幹細胞から出ているのです。
この幹細胞のエクソソームを使ったものが、我々ソラリアクリニックの治療です。
具体的に幹細胞の中でも我々が使っているのは乳歯歯髄の中の幹細胞です。これを使ったエクソソーム治療をしています。
乳歯にはいい点が沢山あるのですが、中でも一番の長所はエクソソームの量と質が非常に高いことです。さらに乳歯というのは6歳から12歳で抜けてしまうので、要らなくなったものを使うという事ができるわけです。もちろんこれは倫理的に生えるということでボランティアからいただくという形になります。
この乳歯歯髄の幹細胞培養上清を作るに当たって9種類のウイルスチェックをしています。9種類のウイルスというのはHIV、HTLV-1、サイトメガウイルス(CMV)、HCV(C型肝炎ウイルス)、HBV(B型肝炎ウイルス)、EBウイルス、バビローウイルス(HPV)で、全てPCR法でチェックしています。そういうウイルスが少しでもあると感知しますので、絶対にそういうものが入ってないことが確定しており非常に安全です。培養しているときの細菌培養やエンドトキシンの量も必ずチェックしています。安全面において非常にクリアな体制を採っています。

(2020年1月7日古賀チャンネルより)

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